ワイヤー矯正とはどんな治療?メリット・デメリット、費用も解説
2025.06.26
こんにちは。松山市小栗の歯医者「小栗歯科」です。
歯列矯正にはさまざまな方法がありますが、その中でも長年にわたり実績を積んできたのがワイヤー矯正です。歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーの力で歯を少しずつ動かしていくこの治療法は、幅広い症例に対応できる点が特徴です。
近年は目立ちにくい装置も登場し、見た目の印象を抑えながら矯正できる選択肢も増えています。
この記事では、ワイヤー矯正の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、治療にかかる費用まで詳しく解説します。
ワイヤー矯正とは
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を少しずつ動かす矯正方法です。歯並びや噛み合わせの改善を目的としており、力を継続的にかけることで歯を理想的な位置へと導きます。
適応できる症例が非常に幅広く、軽度な歯並びの乱れから複雑な不正咬合まで対応可能です。矯正中は歯科医師による定期的な調整を行い、段階的に歯を動かしていきます。
ワイヤー矯正の種類
ワイヤー矯正にはいくつかの種類があり、見た目や快適性、費用などの点で特徴が異なります。自身のライフスタイルや希望に合わせて選ぶことができるのが、ワイヤー矯正の大きな魅力です。
表側矯正
ワイヤー矯正のなかで最も一般的なのが表側矯正です。歯の表面にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす方法で、多くの症例に対応できます。
使用するブラケットは金属製のものが主流ですが、近年ではセラミックやプラスチック製の目立ちにくいタイプも選べるようになっています。審美性を重視する方には、透明や白色のブラケットが好まれています。
裏側矯正(リンガル矯正)
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットを装着する方法で、矯正中であることが他人からほとんど分からないというメリットがあります。審美性は非常に高い一方で、装置が舌に触れやすいため、慣れるまで違和感を覚えることもあります。
また、治療には高度な技術が必要とされるため、費用は表側矯正よりも高額になる傾向があります。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正は、上の歯は裏側、下の歯は表側に装置を装着する方式で、審美性と費用のバランスを重視する方に選ばれています。上の歯だけでも裏側にすることで、会話時や笑ったときに装置が見えにくくなるという効果があります。
ワイヤー矯正のメリット
技術の進歩により、従来の課題を改善した装置も登場しており、現在でもワイヤー矯正は根強い支持を集めています。ここでは、ワイヤー矯正の主なメリットについて解説します。
幅広い症例に対応できる
ワイヤー矯正の大きな特徴は、対応できる症例の幅広さです。歯の軽度なねじれやすき間だけでなく、複雑な不正咬合や顎のズレ、歯列の重なりなどにも対応可能です。
ワイヤーの力を使って歯を三次元的に移動させられるため、他の矯正方法では難しいとされる症例にも柔軟に対応できる点が大きなメリットです。
コントロール性と精度が高い
ワイヤー矯正は、歯科医師が力の加え方や移動の方向を細かく調整できるため、歯の動きに対するコントロール性が高いことが特徴です。矯正力の調整は定期的な通院の際に行われ、治療の進行に合わせて力の強さやワイヤーの太さを変えていきます。
治療期間が安定している
症例や装置によって治療期間には差がありますが、ワイヤー矯正は治療期間の目安が明確で、計画的に進めやすい点もメリットのひとつです。歯の移動をコントロールしやすいため、治療の進行状況に合わせた柔軟な調整が可能です。
装置の選択肢が豊富
近年では、目立ちにくい装置を希望する患者さまのニーズに応え、ワイヤー矯正でも審美性を高めた選択肢が増えています。例えば、金属の代わりに透明や白色のブラケットを使用することで、表側に装置をつけても目立ちにくくできます。
また、装置の素材によって金属アレルギーのリスクを低減できるなど、審美性と安全性を両立する工夫も進んでいます。
治療実績が豊富で信頼性が高い
ワイヤー矯正は長年にわたり使用されてきた治療法であり、世界中で多くの臨床実績と症例が蓄積されています。このため、多くの歯科医師が熟知しており、トラブル発生時の対応や予測も立てやすく、安心して治療を受けられるでしょう。
ワイヤー矯正のデメリット
高い矯正効果と幅広い適応力を持つワイヤー矯正ですが、すべての患者さまにとって常に最良の選択とは限りません。効果的な治療である一方で、治療中の不快感や審美面での課題など、いくつかのデメリットも存在します。
ここでは、ワイヤー矯正における代表的なデメリットについて詳しく解説します。
装置が目立ちやすい
ワイヤー矯正でデメリットとして最初に挙げられるのは、装置の見た目でしょう。歯の表面に取り付けるブラケットやワイヤーが属製の場合、口元に装着していることが明らかに分かります。
現在は白色や透明のブラケットなど、目立ちにくい素材も登場していますが、完全に目立たなくなるわけではありません。
装着時に違和感と痛みが生じる場合がある
ワイヤー矯正では、装置を装着した初期や調整後に、歯が引っ張られるような圧力を感じることがあります。痛みや違和感が数日続くこともあり、食事がしにくくなったり、発音がしづらくなることもあります。
また、装置が口腔内に接触することで、唇や頬の内側に傷ができるケースもあるでしょう。特に、慣れるまでの間は不快感が強く、会話や食事にストレスを感じる方も少なくありません。
食事と歯磨きに制限が生じる
ワイヤー矯正中は、装置の構造上、食べ物が引っかかりやすくなります。繊維質の野菜や粘着性のある食品、硬いものなどは避ける必要があります。
食後には歯の隙間に残る汚れを丁寧に除去しなければならず、通常よりも時間と手間がかかります。また、歯ブラシの届きにくい部分が増えることで、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、フロスや歯間ブラシを併用するなどの徹底したケアが求められます。
金属アレルギーを引き起こす可能性がある
ワイヤー矯正に使用される金属製のブラケットやワイヤーには、ニッケルなどのアレルゲンが含まれていることがあります。金属アレルギーのある方にとっては、装置の接触部分に炎症やかゆみが生じることがあるため、事前にアレルギーの有無を確認することが重要です。
アレルギーがある場合には、セラミック製ブラケットなど、金属を使用しない矯正装置への変更が検討されます。
通院頻度が高い
ワイヤー矯正は、歯科医師による定期的な調整が必要となる治療です。通常は4週間前後の間隔で通院が求められ、歯の動きに応じてワイヤーを交換したり、装置の調整が行われます。
このため、忙しいスケジュールの中で定期的な通院を続ける必要があり、通院の手間や時間の確保に負担を感じることがあります。
ワイヤー矯正の費用
ワイヤー矯正の費用は、使用する装置の種類や治療の難易度、矯正を行う歯科医院によって異なります。以下に、主な治療方法ごとの費用相場をまとめました。
- 表側矯正:約70万〜100万円
- 裏側矯正:約100万〜150万円
- ハーフリンガル矯正:約90万〜130万円
なお、これらの費用には診断料や装置代、治療中の調整料が含まれているケースもあれば、別途加算される場合もあります。歯科医院によって内訳は異なるため、事前に見積もりを取り、総額や支払い方法を確認しましょう。
まとめ
ワイヤー矯正は、歯にブラケットとワイヤーを装着し、力を加えて歯を理想的な位置へ移動させる矯正方法です。表側矯正、裏側矯正、ハーフリンガル矯正といった種類があり、症例や審美性の希望に応じて選択できます。
幅広い症例に対応でき、高い精度と安定した効果が得られる一方で、装置が目立ちやすく、口内の違和感や食事・清掃面での不便も生じやすいです。
ワイヤー矯正の費用は治療法によって異なり、約70万〜150万円が目安です。費用の内訳も歯科医院によって異なるため、事前に確認することが大切です。
ワイヤー矯正を検討されている方は、松山市小栗の歯医者「小栗歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、地域密着型の歯科医院として、松山市の地域虫歯0を目指して患者様に常に向き合った治療を心がけています。予防歯科や矯正治療・小児矯正に力を入れながら、一般歯科やホワイトニング、インプラント治療などにも対応しています。