子ども 歯並びの悩みを徹底解説|原因・チェックポイント・治療法・家庭でできる対策まで
2025.07.17
こんにちは。松山市小栗の歯医者「小栗歯科」です。
お子さまの歯並びを見て、「このままで大丈夫かな?」と心配になったり、乳歯から永久歯への生え変わりの時期に不安を感じたりすることはないでしょうか。
歯並びの乱れは、見た目の問題だけでなく、むし歯のリスクや発音、さらには顎の成長にも影響を及ぼす可能性がある大切な問題です。
この記事では、子どもの歯並びが悪くなる原因や歯並びの種類、ご家庭でできるセルフチェック方法、専門的な治療法について詳しく解説します。お子さまの歯並びのため何ができるかを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
子どもの歯並び
ここでは、乳歯と永久歯の歯並びの違いや、歯並びが子どもの成長に与える影響について、専門的な観点から詳しく解説します。
乳歯と永久歯の歯並びの違い
乳歯は生後6か月ごろから生え始め、通常は上下あわせて20本が並びます。乳歯の歯並びは、永久歯が正しく生えるためのガイドとなる役割を持っています。
乳歯には隙間が見られることが多いですが、これは成長とともに大きな永久歯が生えるスペースを確保するためと考えられています。
一方、永久歯は6歳ごろから順次生え替わり、最終的に上下あわせて28本(親知らずを含めると32本)となります。
乳歯の段階で歯並びやかみ合わせに異常がある場合、永久歯にも影響することがあるため、早期の観察と対応が重要です。
歯並びが成長に与える影響
歯並びが悪いと、食べ物をしっかり噛めず消化に負担がかかる場合や、発音が不明瞭になることがあります。
また、歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。
歯並びの乱れは、成長期の子どもにとって、顎の発育や顔つき、さらには全身の健康にも影響を及ぼす可能性があるため、看過できない問題です。
子どもの歯並びが悪くなる主な原因
ここでは、主な原因について詳しく解説し、実際にどのような点に注意すべきか、また歯科医院での相談時に役立つポイントもご紹介します。
遺伝による影響
歯並びには遺伝的な要因が関与する場合があります。例えば、両親の顎の大きさや歯の形が子どもに似ることで、歯が並ぶスペースが不足したり、逆に隙間ができやすくなることがあります。
ただし、遺伝だけで決まるわけではなく、環境や習慣も影響します。
生活習慣や癖が与える影響
指しゃぶりや爪を噛む癖、頬杖などの習慣は、歯や顎に不自然な力を加え、歯並びの乱れを引き起こすことがあります。特に指しゃぶりが長期間続くと、前歯が前方に突出したり、上下の前歯がかみ合わなくなることが知られています。
お子さんの癖を早期に見つけて、やめる工夫やサポートを行うことが予防につながります。
顎の成長と歯の大きさのバランス
顎の成長が十分でない場合や、歯が大きすぎる場合、歯が正しく並ぶスペースが確保できず、重なりやすくなります。
成長期の子どもは、定期的に歯科医院で顎や歯の発育をチェックしてもらうことが重要です。
口呼吸や舌の使い方の問題
口呼吸や舌の位置異常は、歯並びや顎の発育に悪影響を及ぼすことがあります。例えば、常に口を開けて呼吸することで、上顎の成長が妨げられたり、舌で前歯を押す癖があると、前歯が突出する場合があります。
お子さんの呼吸や舌の動きに気づいたときは、歯科医院で口腔筋機能療法(MFT)などの指導について相談してみると良いでしょう。
子どもの歯並びの種類と特徴
ここでは代表的な歯並びのタイプについて、具体的な特徴や生じやすい原因、家庭や歯科医院での対応のポイントを詳しく解説します。
叢生(ガタガタの歯並び)
叢生は、歯が顎に並びきらず重なったりまっすぐ生えずねじれたりする状態です。主な原因は顎の大きさと歯のサイズの不調和で、遺伝的要因や指しゃぶり、口呼吸などの生活習慣も影響します。
歯磨きがしにくく、むし歯や歯周病のリスクが高まるため、定期的な歯科検診や正しいブラッシング指導が重要です。
上顎前突(出っ歯)
上顎前突は、上の前歯や上顎全体が前方に突出している状態です。遺伝や、幼少期の指しゃぶり・舌癖が原因となることがあります。
発音や咀嚼への影響、転倒時の歯の損傷リスクが高まります。
下顎前突(受け口)
下顎前突は、下の前歯または下顎全体が前に出ている状態です。骨格的な要因が強い場合が多く、放置すると噛み合わせや顔貌に影響することがあります。
早期発見が重要で、成長期の経過観察や適切なタイミングでの矯正治療が検討されます。
開咬(前歯が閉じない)
開咬は、奥歯で噛んでも前歯に隙間ができる状態です。指しゃぶりや舌を突き出す癖、口呼吸などが原因となることが多いです。
発音障害や食べ物を噛み切りにくい、免疫力の低下などの問題が生じるため、生活習慣の見直しや専門的な指導が重要です。
過蓋咬合(噛み合わせが深い)
過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯を深く覆い隠してしまう噛み合わせです。顎の成長バランスや遺伝的な要素が関与し、奥歯や歯ぐきへの負担が増す場合があります。
歯科医院では、成長の経過観察や矯正治療の適応について説明を受けることができます。
すきっ歯や正中離開
すきっ歯や正中離開は、歯と歯の間に隙間がある状態です。乳歯の時期には一時的な場合も多いですが、永久歯への生え変わりや顎の発育により自然に改善することもあります。
子どもの歯並びのセルフチェック方法
ここでは、家庭でできる具体的なセルフチェック方法や、見逃しやすい初期サイン、歯並びを気にするべきタイミングについて詳しく解説します。
家庭でできる歯並びチェックポイント
家庭での歯並びチェックでは、上下の歯がしっかり噛み合っているか、前歯や奥歯の位置がずれていないかを観察することが重要です。
例えば、前歯が大きく前に出ている出っ歯や、下の歯が上の歯より前にある受け口、歯と歯の間にすき間が多い場合などは注意が必要です。こうしたズレは、顎の成長や指しゃぶり、口呼吸といった生活習慣の影響で起こることがあります。
また、食事中の噛みづらさや、発音のしづらさも歯並びの乱れのサインとなる場合があります。
見逃しやすい初期サイン
初期の歯並びの乱れは、見た目だけでなく、乳歯の早期脱落や虫歯の多発、歯磨きのしにくさなどからも現れます。特に、乳歯が早く抜けてしまうと、永久歯が正しい位置に生えにくくなることがあります。
また、口を開けたままにしていることが多い、いびきをかく、口呼吸が習慣化しているなども、歯並びや顎や全身の発育に影響を及ぼすサインとされています。
いつから気にするべきか
歯並びのチェックは、乳歯が生えそろう3歳頃から始めると良いと考えられています。
特に、6歳前後で永久歯への生え変わりが始まる時期は、歯並びや噛み合わせの変化が起こりやすいため、定期的な観察が重要です。
歯並びが悪い場合に考えられるリスク
ここでは、歯並びが悪い場合に考えられる主なリスクについて詳しく解説します。
むし歯や歯周病のリスク
歯並びが悪いと、歯と歯の間に食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。特に重なり合った部分や歯列の凹凸は歯ブラシが届きにくく、むし歯や歯周病の原因となる細菌が増殖しやすい環境を作ります。
子どもの場合、正しい歯磨きと仕上げ磨きの指導やデンタルフロスの使い方を歯科医院で学ぶことが重要です。
発音や咀嚼への影響
歯並びが乱れていると、舌や唇の動きが妨げられ、発音が不明瞭になる場合があります。
また、食べ物をしっかり噛み砕けず、消化器官への負担が増すことも考えられます。
顎や顔の発育への影響
子どもの成長期に歯並びが悪いと、顎の骨や顔のバランスに影響を及ぼす場合があります。例えば、片側だけで噛む癖がつくと顎の発育が左右非対称になることがあります。
心理的な影響
歯並びの悪さは、見た目のコンプレックスや自信の低下につながることがあります。特に思春期以降は、友人関係や学校生活に影響を及ぼすケースも見られます。
子どもの歯並びの治療法とその流れ
ここでは、子どもの歯並びの治療法とその流れについて詳しく解説します。
小児矯正の種類と特徴
小児矯正には、主にⅠ期治療とⅡ期治療があります。
Ⅰ期治療は、乳歯と永久歯が混在する時期に行われ、顎の成長をコントロールしながら歯列や咬み合わせの土台を整えることが目的です。代表的な装置には拡大床や機能的矯正装置があり、成長を利用して無理なく歯並びを改善します。
Ⅱ期治療は永久歯が生え揃った後に行い、ワイヤー矯正、マウスピース矯正などで歯を細かく動かします。
治療開始の適切なタイミング
治療開始の目安は、一般的に6〜8歳頃の永久歯が生えてくる時期とされていますが、症状や成長発育の個人差によって異なります。例えば、受け口や顎のズレが顕著な場合は、早期治療が推奨されることがあります。
歯科医院へ受診してみて、適切な治療開始のタイミングを聞いてみるのも良いです。
治療期間や費用の目安
小児矯正の治療期間は、症状や治療法によって異なりますが、Ⅰ期治療は1〜3年程度、Ⅱ期治療はさらに1〜2年かかる場合があります。
費用は装置や治療内容によって幅があり、Ⅰ期治療とⅡ期治療あわせて60万円から150万円程度になることもあります。費用や支払い方法、保険適用の可否については、事前に歯科医院で詳細を確認することが大切です。
治療中に気をつけること
矯正治療中は、装置の清掃や正しい歯磨き、デンタルフロスの使用、保護者による仕上げ磨きなど、日常のセルフケアが重要です。
食事指導も受けることで、虫歯のリスクを減らしましょう。
治療後や成長過程で気をつけたいポイント
ここでは、治療後や成長期に特に気をつけたいポイントについて解説します。
リテーナー(保定装置)の重要性
矯正治療後の歯は、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こる場合があります。これを防ぐためにリテーナー(保定装置)が使われます。
リテーナーは歯が新しい位置で安定するまで装着する必要があり、装着時間や期間は個人差があります。装着を怠ると歯並びが再び乱れるリスクが高まるため、指示された通りに使用しましょう。
再発防止のための家庭でのケア
歯並びの安定には、日々のセルフケアも欠かせません。正しい歯磨きやデンタルフロスの使用はもちろん、年齢が低い場合は保護者による仕上げ磨き、頬杖やうつぶせ寝など歯に負担をかける癖を避けることが大切です。
また、食事のバランスや口腔筋機能のトレーニング(口をしっかり閉じる、正しい舌の位置を意識するなど)も効果的とされています。
定期的な歯科受診のすすめ
成長期の子どもは顎や歯が変化しやすいため、定期的な歯科受診が重要です。
歯科医院では歯並びや噛み合わせのチェック、リテーナーの調整、虫歯や歯周病の予防管理が行われます。
まとめ
子どもの歯並びは、遺伝や指しゃぶり、口呼吸などさまざまな要因で乱れやすくなります。歯並びが悪いと、虫歯や発音、かみ合わせの問題や全身的な健康への悪影響につながる可能性もあります。
家庭では定期的なセルフチェックや生活習慣の見直しが大切ですが、気になる症状があれば早めに歯科医へ相談することが推奨されます。
また治療には成長段階に応じた方法があり、経過観察や矯正治療など選択肢も多様です。
小児矯正を検討されている方は、松山市小栗の歯医者「小栗歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、地域密着型の歯科医院として、松山市の地域虫歯0を目指して患者様に常に向き合った治療を心がけています。予防歯科や矯正治療・小児矯正に力を入れながら、一般歯科やホワイトニング、インプラント治療などにも対応しています。