小児の受け口を矯正する方法!放置するリスクや費用も
2025.12.13
こんにちは。松山市小栗の歯医者「小栗歯科」です。

受け口は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態のことです。見た目が気になるだけではなく、放置すると将来的に噛み合わせや発音などに影響が出ることもあります。早期に矯正を行うことで、症状の改善が期待できるでしょう。
この記事では、子どもの受け口を放置するリスクや矯正方法、それにかかる費用について詳しく解説します。お子さまの歯並びにお悩みの方や、治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
受け口とは

受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態のことです。医学的には、反対咬合(はんたいこうごう)や下顎前突(かがくぜんとつ)と呼ばれています。
正常な噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯をわずかに覆うような形になっています。受け口の場合、このバランスが逆転していて下の歯が前に出るため、見た目にも違和感が生じやすく、発音や咀嚼に影響を及ぼすこともあります。
子どもが受け口になる原因

お子さまの場合、さまざまな癖などによって受け口になっていることがあります。遺伝的な要素のほか、舌の癖や口呼吸、幼児期の指しゃぶり、舌を前に突き出す癖などが関係しているとされています。
また、骨格的な問題が原因の場合も多く、上下の顎の成長バランスが崩れることで、自然に受け口の傾向が強まるケースもあります。特に、乳歯から永久歯へと生え変わる成長期は、歯並びの乱れが起こりやすいです。
ここでは、子どもが受け口になる主な原因を解説します。
遺伝的な要因
子どもが受け口になる原因の1つが、遺伝的な要因です。骨の大きさや形、歯の大きさ、位置などは遺伝によって受け継がれることがあります。つまり、両親のどちらかが受け口の場合、その傾向が子どもに遺伝することがあるのです。
特に、上顎よりも下顎が前方に位置する特徴や、下顎が過剰に成長する特徴などは、遺伝する可能性があります。
乳歯の位置や生え方の問題
乳歯の位置や生え方によっても、受け口が生じることがあります。例えば、下の前歯が前方に傾いて生えていたり、逆に上の前歯が内側に向かって生えていたりすると、顎の位置や歯が生えている位置には問題がなくても、受け口の状態になることがあります。
指しゃぶりなどの癖
子どもの頃の指しゃぶりなどの癖も、受け口になる原因です。乳幼児期の指しゃぶりはごく自然な行為ですが、長期間続くと歯並びや顎の発育に影響を与えることがあります。
指を吸うと歯にも圧力がかかるため、歯が前方に傾いたり下顎の成長に影響を与えたりする可能性があるのです。
小児の受け口を放置するリスク

子どもの受け口を放置していると、さまざまな問題が生じます。子どもの受け口を放置することにはさまざまなリスクが伴うため、はやめに矯正治療を受けることが大切です。
咀嚼機能が低下する
受け口の状態では、上下の歯がしっかりと噛み合いません。そのため、食べ物を噛み切ったり、すりつぶしたりする機能が低下します。
その結果、食べ物を十分に咀嚼できず、消化器官に負担がかかることがあります。適切に噛み砕かれて小さくなっていない食べ物を飲み込むと、胃腸などに負担がかかり、下痢や便秘、腹痛などの原因になる可能性があります。
発音に影響を及ぼす
受け口の状態では、舌の動きが制限されるため、正しい発音が難しくなることがあります。特に、さ行やた行は舌の先を歯の裏に近づけて発音する必要がありますが、歯並びのずれにより発音しにくくなることがあるのです。
幼少期にこのような発音のしづらさが続くと、コミュニケーションに自信を失うお子さまもいるでしょう。
顔の輪郭に影響を与える
受け口の状態を放置していると、下あごが過度に成長し、顔の輪郭が変化することがあります。特に、成長期の子どもでは、骨の成長に伴い受け口が悪化することも少なくありません。
受け口は「しゃくれ」と呼ばれることもあり、顔の印象に影響を及ぼします。これにより、精神的な負担を感じるお子さまもいるでしょう。
将来的な矯正治療が複雑になる
受け口が悪化していくと、治療がより困難になる可能性もあります。小児期であれば、上顎の成長を促したり、下顎の成長を抑制したりして改善できる可能性がありますが、成人して顎の成長が止まってからだと、顎の骨を切除するなどの外科処置が必要になることもあります。
外科的な処置が必要になった場合、治療にかかる費用や期間の負担が増加するだけでなく、お子さまの精神的な負担も増すでしょう。顎を切除する場合は強い痛みが生じることもあるので、小児期から介入してより容易な治療で改善していくのが理想といえるでしょう。
小児の受け口を矯正する方法

前項で、子どもの受け口は放置せず、早めに治療を受けたほうが良いとお伝えしました。では、子どもの受け口を矯正する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、子どもの受け口を治療する方法についてくわしく解説していきます。
顎の成長をコントロールする
受け口の多くは、下顎の成長が過度であること、あるいは上顎の成長が進んでいないことで生じます。そこで取られるのが、矯正装置によって顎の成長をコントロールする第1期治療(一次矯正)と呼ばれる治療法です。
第1期治療では、子どものあごの成長をコントロールしながら、歯が並ぶためのスペースを確保していきます。受け口の患者さまにおいては、下顎の成長を抑制する装置を装着したり、上顎の成長を促す装置を使用したりして改善を目指します。
歯の位置や角度の調整をする
顎の骨格には問題がなく、歯が生える位置や向きによって受け口になっている場合は、歯を適切な位置に移動させることで、受け口の改善を目指します。
また、永久歯が生えそろうのが12歳〜14歳頃ですが、この時期になると顎のバランスを整える治療は難しいケースもあります。この場合も、マウスピース矯正やワイヤー矯正などで歯を移動させたり角度を調整したりして、上下の噛み合わせのバランスを整えていきます。
癖や口呼吸の改善を促す
口の動かし方や姿勢、呼吸の仕方が原因で、受け口になっていることもあります。舌の位置が正しくなかったり口で呼吸する癖があったりすると、歯並びや顎の成長に悪影響を与え、受け口の症状を悪化させることがあるのです。
そのため、日常生活の中でこれらの癖を自覚し改善することも、矯正治療の一環として重要です。歯科医師に相談したうえで、専門的なトレーニングや姿勢矯正、発音訓練などを取り入れることも検討しましょう。
小児の受け口を矯正する場合にかかる費用

小児の受け口を矯正する際にかかる費用は、使用する装置や治療期間、医院の方針などによって異なりますが、一般的には40万円〜60万円程度が目安となります。この金額には基本的な診察費用や装置代、調整費用などが含まれていることが多いですが、歯科医院によって異なるため事前に確認しておきましょう。
なお、永久歯が生えそろったあとに行う本格的な矯正治療(第2期治療)の費用相場は、60万〜120万円程度です。永久歯が生えそろってから行う本格的な矯正治療では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を選択できます。
まとめ

小児の受け口には、さまざまな原因が関係しています。放置していると悪化するため、はやめに対処することが大切です。
子どもの受け口を治療する方法としては、顎の成長をコントロールする装置を使用して上下の顎のバランスを整える治療や、癖を改善する治療などが挙げられます。治療にかかる費用は治療方法によって大きく異なるため、歯科医師に相談して見積もりを確認したうえで治療を受けましょう。
お子さまの受け口の改善を検討されている方は、松山市小栗の歯医者「小栗歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、地域密着型の歯科医院として、松山市の地域虫歯0を目指して患者様に常に向き合った治療を心がけています。予防歯科や矯正治療・小児矯正に力を入れながら、一般歯科やホワイトニング、インプラント治療などにも対応しています。
当院のホームページはこちら、初診診療予約も受け付けております。公式Instagramも更新しておりますので、ぜひチェックしてみてください。